平成２３年８月２７日(土)
| 18:50、夜花火のスタート。夜花火は、ひとつの花火師が、十号割物2発と創造花火を1セットにして続けて打上げます。十号割物のうち一発が、三重芯の芯入りという課題玉。もう一発が自由玉といった構成。創造花火は2分30秒以内で花火師自身が設定したタイトルをメロディに乗せて花火を打ち上げる、いわゆるスターマイン競技です。 課題玉は前述のとおり、三重芯以上の芯入りであることが要求されています。三重芯とは、花火の外側の花のなかに3つの芯があり、合計4重の同心円状の花火が広がるというもの。なかには、四重芯、五重芯と、さらに多くの芯を擁する花火玉もあります。花火が破裂して花が広がるのはほんの一瞬。その一瞬で、何重の芯がを持ったものなのかを見極めるのは大変で、見る側にも相応の｢目｣が必要です。 |
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| 十号割物(課題玉) | |
 第3号 昇曲導付四重芯変化菊 東京都 （株）丸玉屋小勝煙火店 |
 第6号 昇曲導付四重芯錦冠菊 茨城県 筑北火工堀米煙火店 |
 第8号 昇曲導付三重芯変化菊 静岡県 三遠煙火（株） |
 第9号 昇曲導付四重芯引先紅光露 茨城県 野村花火工業（株） |
 第12号 昇曲導付四重芯引先紅光輝 山梨県 （株）齊木煙火本店 |
 第17号 昇曲付四重芯銀点滅 茨城県 山﨑煙火製造所 |
 第21号 昇曲付四重芯変化菊 長野県 （株）紅屋青木煙火店 |
 第22号 昇曲付三重芯変化菊 山梨県 （株）マルゴー |
 第23号 昇曲付四重芯菊先青光露 群馬県 （有）菊屋小幡花火店 |
 第24号 昇曲導付三重芯変化菊 山梨県 （株）山内煙火店 |
| 自由玉は芯入割物以外に、千輪や冠菊、小割模様など、課題玉では表現できないバラエティに富んだ花火が打ち上げられます。見る方も課題玉に比べれば、肩ひじ張らずに見ることができるのではないでしょうか。 | |
| 十号割物(自由玉) | |
 第3号 花束文様の五色花 東京都 （株）丸玉屋小勝煙火店 |
 第10号 ウィンターイルミネーション 愛知県 （株）磯谷煙火店 |
 第11号 Big Bang 長野県 （有）太陽堂田村煙火店 |
 第13号 希望の煌めきに虹の花 長野県 （有）伊那火工堀内煙火店 |
 第14号 昇曲導付姫菊千輪 長野県 （株）小口煙火 |
 第15号 昇曲付霊籠花壇～手向けの華～ 東京都 （株）ホソヤエンタープライズ |
 第17号 Oh! シャンデリヤ （株）山﨑煙火製造所 |
 第22号 紫陽花 山梨県 （株）マルゴー |
 第23号 ピンクの花びら八重桜 群馬県 （有）菊屋小幡花火店 |
 第24号 Magic Art 山梨県 （株）山内煙火店 |
| さて、10道割物の部は課題玉と自由玉を総合して優勝者を決定しますが、今回は(株)山内煙火店の「昇曲導付三重芯変化菊とMagic Art」が受賞。課題玉は四重芯・五重芯が数多く出品されていましたが、三重芯でもその完成度の高さで優勝が狙えることを今回の大会では実証したといえます。 | |
| 創造花火はテーマに沿った演出を花火で表現するスターマイン形式の部門。打ち上げられる花火玉を多くすればそれだけ派手な演出はできますが、大曲の花火では打上げ時間が2分30秒以内であること、使用できる打上げ筒は150本以内などの規定のなかで、その創造性と独自性を競い合います。 | |
| 創造花火 | |
 第4号 天空に捧ぐレクイエム 秋田県 （株）小松煙火工業 |
 第9号 夜空の祈り 茨城県 野村花火工業（株） |
 第10号 今夜、どこかのＢＡＲで～男と女の物語～ 愛知県 （株）磯谷煙火店 |
 第11号 Big Bang ～宇宙誕生の謎 長野県 （有）太陽堂田村煙火店 |
 第13号 ドレミで奏でる七色の空唄 長野県 （有）伊那火工堀内煙火店 |
 第16号 花らんらん～希望の光！～ 秋田県 大曲花火工業（有） |
 第17号 希望の鳥～素晴らしい明日へと向かって～ 茨城県 （株）山﨑煙火製造所 |
 第18号 つながれニッポン！！虹色の架け橋！！ 秋田県 （株）和火屋 |
 第21号 夜空に描く万華鏡模様 長野県 （株）紅屋青木煙火店 |
 第22号 記憶に咲く花 山梨県 （株）マルゴー |
 第23号 花ひらけ 日本の心 群馬県 （有）菊屋小幡花火店 |
 第27号 蝶が舞う、ふるさと日本 長野県 （有）篠原煙火店 |
| 創造花火の部では、(株)磯谷煙火店の「今夜、どこかのＢＡＲで～男と女の物語～」が優勝。花火とともに会場に流れたのは音楽ではなく、男女の会話。ＢＡＲでお酒を飲みながら、男性が女性に指輪を渡しながらのプロポーズ。女性がそれに応えるといった内容でした。花火でカクテルや指輪といった型物花火を表現。女性がプロポーズにＯＫの返事をすると、映画｢ボディカード｣でおなじみの、ホイットニー・ヒューストンが歌う「I
will always lave you」が流れ、ハートマークの花火が打ち上がるという展開。音楽と花火が見事にマッチして、会場内でも一番歓声がわき上がった作品でした。 これまでにない花火作品。私も一番印象に残った花火でしたが、音楽に「会話」を使用するという斬新な展開に、審査員の評価に注目されましたが、見事に創造花火部門で優勝。競技花火に新たな方向性を示した挑戦的で見事な作品だったと思います。 |
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