第79回土浦全国花火競技大会

　土浦全国花火競技大会は、ここ4年連続での観覧。今年は気合いを入れてAM11:30に会場へ到着。しかし現地に着てみてビックリ。すでに堤防を降りた土手部分は後方の一角を除き、ズラリとレジャーシートが敷かれている状況。堤防上の通路もまだ同様でした。無料観覧場所の開放時間は花火大会前日の正午ですから、当日にいくら早く現地に行ったところで、「時すでに遅し」なのかな？

　少しでも空いている場所はないかと打上場所の中心部に向けて歩くものの、当然ながら良さげな場所は皆無、当然といえば当然か…。しかし、仮設トイレが並ぶ後方の土手斜面がまだ空席あり。これ以上探してもよい場所は見つけられないと判断し、花火打上方向に仮設トイレが重ならないであろう場所に腰を下ろしました。

　ここ数年の土浦全国花火競技大会は、昨年、開始前に若干小雨が降ったものの、おおむね良好な天候であり、それは今年も同様。日陰に入ると心地よいのですが、直射日光の下では汗がじんわり出るほどの暖かさ(「暑さ」と言った方がいいかも？)。

　正午になり予告雷が上がったのですが、かなり上空で破裂し、その音も迫力があるもの。とっさにカメラを出してファインダーを覗き込むと、28ミリ相当のレンズだと、縦位置であれば十分収められますが、横位置にすると地上付近の風景と花火を同一画面で捉えるのは不可。
　前方を見ると桜川をはさんだ対岸には、イオン土浦ショッピングセンターの建物が見えます。土浦駅改札口付近で手に入れた土浦全国花火競技大会の公式パンフレットを見ると、5号玉で競う「創造花火」はショッピングセンターが打上げ場所とのこと。あれっ？打上げ場所のかなり近く、中心部周辺に来ちゃったんですか？　
　予告雷はさほど大きな玉は使用していないでしょうから、本番の花火はもっと高い場所で開くことが確実。さらに大会提供花火「土浦花火づくし」はワイドスターマインですから、念のため持参してきた16ミリ相当の超広角レンズの出番にもなりそうです。

　私が到着した時点では空いていた仮設トイレ後方の土手斜面もPM2:00過ぎには満席に。PM4:00を過ぎると通路部分に腰を下ろした観覧客と、彼らに立ち退きを促す警備員との間で一悶着を見かけるのは、この花火大会でも例外ではなし。クワバラクワバラ…。

　土手斜面にずっと座っていると、足は痺れるわ、お尻が痛くなるわ、レジャーシートが下にズレるわで、居住性に難あり。でも今さら移動できる場所はなし。でも今さら移動できる場所はなし。夕食や飲み物の購入に近くのコンビニに出かけたり、露天をウィンドウショッピング(？)したりで会場内をぶらぶら歩き、足の痺れと、退屈な時間を紛らわせたのでした。なかにはスコップを持ち込み、足場や腰を下ろす場所を掘るような状況も確認。みなさん、準備がよろしいようで。次回の参考にしていただきます。

　PM5:54、待ちに待った花火打上開始。今年は競技花火の前に余興花火「土浦市制70周年記念花火」スターマインが打ち上げられ花を添えました。
　今回は、10号玉の部に45、創造花火の部に22、スターマインの部に22、合計89がエントリーされ、その技を競い合いました。

10号玉の部
【優勝】昇曲付四重芯銀点滅 (株)山崎煙火製造所	【準優勝】昇曲導五重芯変化菊 (株)小松煙火工業
【特等】昇り曲導付四重芯変化菊野村花火工業(株)	【１等】昇り曲付四重芯変化菊 (株)紅屋青木煙火店
【２等】昇り曲導付四重芯錦先紅光露筑北火工堀米煙火店	【２等】昇曲付四重芯変化菊 (株)元祖玉屋
【２等】昇り曲導付四重芯菊先紫光露 (株)臼井煙火	【３等】昇曲付四重芯変化菊 (有)菊屋小幡花火店
【３等】昇り曲導付三重芯変化菊アルプス煙火工業(株)	【３等】昇り曲導分砲付四重芯菊先紅光露 (有)伊那火工堀内煙火店
【３等】昇り曲導付八重芯変化菊 (有)関口煙火工場	【３等】昇曲導付四重芯変化菊 (株)北日本花火興業
今回の土浦全国花火競技大会では、いくつかのサプライズがありました。　これまで10号玉の部で5回連続優勝してきた「野村花火工業」が今回は優勝を逃したことが挙げられます。　野村花火工業の10号玉は、今年も「さすが」と言うべき仕上がり。昨年とは観覧した場所が違いますので、一概には言えませんが、昨年よりもさらに同心円状に均等に星が広がり、盆も大きかったのではないかと思えるほどでした。しかし、星の色づかいが昨年とほぼ同じで、個人的には「昨年優勝した10号玉を今年も持ってきました」という印象があったのも事実。優勝を続けていくと、観覧する方としてもさらに進化を求め、寄せる期待も高くなってしまいます。それに応えるのもまた難しいのでしょう。　一方、今回優勝した山崎煙火製造所の10号玉も、昨年とほぼ同じ色づかいの玉で勝負。同じ玉は、今年の神奈川新聞花火大会でも打ち上げられ、その出来映えは感動を覚えるほどのもので印象が強く残っていた玉。今宵、土浦で打ち上げられたものも、その時と同じく素晴らしい仕上がり。優勝もうなずけるものでした。

創造花火の部
【優勝】オバケが出るぞ～（株）芳賀火工	【特等】犬も歩けば棒に当たる (株)北日本花火興業	【１等】３D 花と蝶 (有)篠原煙火店
【２等】３D立体花火目玉の親父は入浴中こっち向いて (株)静玉屋	【３等】朝顔につるべとられてもらひ水北陸火工(株)	【優秀賞】さる×カニ合戦 (有)六葉煙火
【優秀賞】アイドルたちのポニーテールとシュシュ (株)小松煙火工業	【優秀賞】昇り曲付未来華 (花から華へ) (有)太陽堂田村煙火店	【優秀賞】紅白祝祭の万華 (株)ﾎｿﾔｴﾝﾀｰﾌﾟﾗｲｽﾞ
創造花火の部でもサプライズが。こちらでも5回連続優勝の「北日本花火興業」が今回は優勝を逃したのです。　北日本花火興業は「犬も歩けば棒に当たる」という題目。犬の顔がしっかり表現されていて、秀逸でしたが、いかんせん昨年の「アフロで決める俺のヘアスタイル」のインパクトが大きすぎて…(^_^;)。　創造花火の部で優勝した「芳賀火工」は、かわいい2種類のオバケが夜空に開くたびに観客から歓声が上がっていました。来年は、今回打ち上げられたオバケが各地の花火大会を席巻（せっけん）するかもしれませんね。　また、9月まで放送していたNHKテレビ小説「ゲゲゲの女房」に関連してか、「目玉のオヤジ」をかたどった創造花火なども打ち上げられました。「目玉のオヤジ」が茶碗でお風呂に入っている姿がよく表現されていたと思います。